さて、前回に引き続いて、ひきこもり状態が長期化、ひきこもりが高齢化してしまうとどうなるのか、ということを書いていきます。
前回は、養ってくれている両親が定年退職等を迎えたときにヤバいことになるということを書きました。
今回は、その時期を何とか乗り切っても、第2の関門がすぐ近くまで迫ってきている事について書きます。
第2の関門は…働いている、もしくは年金をもらって何とか生活している両親が、体を壊してしまうなどの理由により、介護の必要が出てきた時です。
その場合、程度にもよりますけど働くことはほとんど不可能でしょう。それどころか、介護の手間や家のバリアフリー化、場合によっては介護施設なども検討する必要があります。
例えば、介護施設などに入居する、ということになると、よほど多額の年金を受け取っていない限り、毎月赤字になってしまいます。
だいたい、介護施設って最低でも月15万円程度は必要ですからね。
つまり、残酷な言い方をしてしまうと、元気だったときはお金を稼いだり、年金で生活できている状態だった親が、介護が必要になると、逆にお金を使う存在になるわけです。
充分な貯金がある場合は、すぐにどうこうなるわけではありませんが、ただでさえ60歳~65歳での給料の激変でお金が不足している状態だったところに、追い打ちのようにお金を使う必要が出てくるわけです。
よほどの金額を貯金していない限りは、相当厳しい状態になるでしょう。
そんなときに、ひきこもり状態になっている子供がいると…本当に家計が火の車状態になってしまう可能性が高いでしょうね。
というか、親が介護が必要な状態になったときに、ひきこもりの子供が介護保険制度をしっかり理解して申請したりできるのか、誰かに助けを求めることが出来るのか、という問題も出てきます。
介護保険制度って、当たり前ですけど申請等をする必要がありますからね。
そういう役所に行って申請云々、みたいなことを出来るだけの能力があるかというと…難しいかもしれませんね。
で、どれぐらいの年齢で介護の必要が出てくるのか、ということですけど、これは人それぞれなので、はっきりわかりません。
が、目安としては健康寿命というものがあります。
健康寿命で調べてもらえれば分かると思いますが、大体、70歳~75歳だと言われているようです。まあ、今後、もう少し伸びるかもしれませんけどね。
ただ、何度も書きますけど、年を重ねるにつれて体は弱っていく傾向にあるので、健康寿命よりも若いからといって、楽観視することは出来ません。
ある日突然、介護が必要になるレベルになってしまうことも十分に考えられます。駐車場の車止めで躓いて転んで、そのまま寝たきりになった、なんていう人もいますから。
ともあれ、高齢者は、年をとればとるほど、介護が必要になる可能性が高くなる、という傾向にありますので、高齢の親に頼る生活を続けていくことが困難になるどころか、介護が必要になると、逆に頼られる可能性が高くなるということを知っておいてください。
そんな時にひきこもりのままだと、本当に人生詰んだ、と感じてしまうかもしれませんよ。